「貸家建付地」と「貸宅地」の違い

相続税・贈与税において土地を評価する際、自分の土地にアパートなどの貸家を建てると「貸家建付地」として評価額が下がることは、以前のブログ等でお話ししました。例えば、借地権割合が60%(路線価図の記号が「D」)の地域であれば、自用地よりも評価額が18%減額されます。

貸家建付地と似ているようで全く異なるものに、「貸宅地」というものがあります。両者の違いは、「借地権」などの権利が土地の上に生じているか否かという点です。


貸家建付地は、自分の土地の上に自分が所有するアパート等が建っている状態です。一方、貸宅地は、自分の土地の上に土地を借りた人が所有する家が建っている状態です。貸家建付地は自分の土地を他人に貸しているのではなく、土地の上に建っているアパート等を貸しています。でも、貸宅地は、自分の土地自体を他人に貸しているのです。

他人がそこに家を建てる前提で、自分の土地を他人に貸した場合、土地を借りた側には「借地権」という権利が生まれます。これは簡単に言えば、その土地に建物を建てて自由に使ってよいという権利です。この借地権自身が、価値を有するものとして売買の対象にもなります。一方、土地を貸した側は、借地権のついた土地の所有権が残り、これを「底地権」とか「底地」と呼んだりします。

相続税の土地評価では、底地は「貸宅地」として評価し、以下の式で計算します。


「自用地評価額×(1-借地権割合)」

ですから、借地権割合が60%の地域であれば、自用地の60%引きで評価してくれることになります。貸家建付地の場合は18%引きであることを考えると、破格の扱いのように見えるかもしれません。

でも、評価額がこれだけ低くなるには、当然理由があります。もし、相続税を安くするために、土地を貸して借主に家を建てさせたなら、大変な目に遭うかもしれません。